MEGAZONEブログ
Ground station digitalization with SDRs in the cloud
クラウドSDRによる地上局のデジタル化
Pulisher : Cloud Technology Center イ・ヨンジン
Description : Aerospace & Sateliteのお客様向けAWSでサポート可能なサービスの紹介
はじめに
MegazoneCloudのAerospace & Satellite TFに所属し、韓国のAerospace & Satelliteのお客様にAWSでサポートできるサービスや方法などを広めたいと思い、本セッションを申し込みました。
セッションの概要紹介
電波通信において、従来は信号処理のために、各processingとfilterに対して電子部品を利用したり、専用chip(ASIC)を利用してDSP(Digital Signal Processing)しました。 これはproductionまで時間もかかり、人的リソースとコストも少なくありませんでした。
最近では、このようなアナログ信号をデジタル化した後、回路ではなくソフトウェア的に処理するSDR(Software-Defined Radio)が多く使われるようになりました。 これをきっかけに、hardware(回路)設計>開発>PoC>productionのプロセスが飛躍的に向上し、try & errorを簡単かつ迅速に進めることができるようになり、productionまでの時間の短縮とともに、誰でも挑戦できる分野になりました。
ただし、SDR のためには、信号処理のための計算式・フーリエ変換などを処理するためには、まだまだ負担の大きい処理であり、また専用の処理方式が必要で、programmable chip が有効になっています。
Customized chip / logicをAWSでも対応するプラットフォームがあります。ロジック変更が可能なFPGAシリコンであるXilinxを採用したF1 EC2 instanceがそれです。F1を利用することで、信号処理領域において、お客様が簡単、手軽、低コストで活用できる道が開かれ、また、DPDKを利用したネットワーク/カーネル/FPGAを直結することで、通信スルーパートでも全く遅延のない通信が可能な環境をAWSでは提供しています。
各スライドの説明
SDR は、信号処理のための従来の回路設計から脱却し、ソフトウェア的に処理が可能です。衛星から受信した信号は、従来は専用機器を使用していましたが、analog to digital後、DSP処理を行うことになります。
DSPのためのプラットフォームは、AWSのEC2アクセラレーションコンポーネント – 高性能CPU、GPU、FPGAなどで処理可能です。
GPUおよびAI/ML専用とは別に、DSP用のFPGAインスタンスとしてF1があります。
基本的にDSPが必要なSDR領域では、これを最適化するためにFPGAが必要となります。
Satellite Communication (SATCOM) – 衛星通信は、常に同じ位置に存在する衛星との通信に使用されます。主に衛星のための放送で使われています。
地球を観測する低軌道衛星は、地球を回り続け、複数の地上局と通信することになります。 天気情報を収集する衛星などです。SDR は主にこの Earth observation で使用されます。
ここで、F1 EC2 Instance の登場です。
Field Programmable Gate Arrays (FPGAs) は、その言葉の通り、’Programmable’ chipという話です。
Logic Board(回路)を変えるのではなく、Chip Logicを変えるFPGA活用自体もコストと時間がかかります。
もう心配しないでください。AWSにはEC2 F1 Instancesがあります。下記の表から分かるように、FPGAの容量によってvCPU / MemoryとNetworking performanceが区分されています。
vCPU上で動作するHost kernelとはPCIeで接続されており、通信や計算処理において高速で接続されています。
AWSが提供するAMIを利用してFPGA image (AFI) を作成し、F1 instanceにアップロードします。
FPGAツールを接続し、すぐに活用およびシミュレーションが可能です。
Amazon FPGA Developer AMIを汎用インスタンスにアップロードした後、FPGA関連のアプリケーションと設定を適用してF1用のAFIを作成します。
では、networkの速度は大丈夫でしょうか?
心配しないでください。高速NICライブラリを活用するDPDKを利用してFPGAと接続するだけです。
これは PCIe インターフェイスを利用して NIC と直接接続する通路を作ります。中間通路にカーネルが掛かっていても、速度低下は全く起こりません。
F1上に上がるFPGA card にDPDKを連動させるデモです。
CLIを利用してDPDKをアップロードしました。 よく見ると、eth1にDPDKの新しいNICがアップロードされていることがわかります。
ARPを通してお互いに通信していることが確認できれば、連動していることがわかります。
Frame sizeを変更して performanceを測定してみると、jumbo frameの時はNICの最大帯域幅である9 Gbps付近に達することが分かりました。
セッションを終えて
衛星と行う信号処理においてSDRをうまく活用できるFPGA typeのF1 instanceとこれを十分に活用できるDPDKについて説明しました。
これをうまく活用すれば、これまで信号処理をDSPで行っていましたが、AWS上で性能低下なくSDRを実現することができます。これは、アイデアと活用先さえあれば、過去に時間がかかっていた信号処理をストレスなく実行することができます。
信号処理領域での専門的な機器がなくても、AWS上で完了することができ、これはネイティブAWSサービスとすぐに有機的に連携し、衛星のためのデータ通信においてproductionを加速させるだけでなく、業界の障壁を取り除くことができると考えられます。