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AWS re:Invent 2024 <Breakout sessionレポート #MFG201>
Amazon Bedrockを活用したナレッジの標準化に関する事例セッションに参加しました。
本セッションでは、従業員が退職して他の仕事に移り始めるときに、学習と開発のギャップを埋めるためにオペレーター アシスタントを開発し、非構造化データ (SOP ドキュメント、機械マニュアルなど) と構造化されたリアルタイムの機械データに基づいて、機械診断トラブルシューティング用の自然言語インターフェイスを提供し、従業員が関連するコンテンツを数分で取得できる内容についてお話しされてました。
セッション概要
- タイトル
- Empowering the next-generation industrial operator with generative AI
- スピーカー
- Roshan Shah
- Vice President – Applied AI and Products, Georgia-Pacific
- Carter Smith
- GenAI Product Leader, Georgia Pacific
- Erin Dunlop
- Enterprise Account Manager, Amazon Web Services
- Roshan Shah
- 概要(公式)
Georgia-Pacific (GP) は、パルプおよび紙、ディスペンサー、パッケージ、木材および石膏建築製品を製造する最大手企業の 1 つです。多くの製造業者と同様に、GP は、ベテラン労働者が退職し、見習いオペレーターが迅速にスキルアップする必要があるため、労働力の減少という課題に直面しています。GP の Amazon Bedrock 対応産業オペレーター アシスタントが、非構造化データ (SOP ドキュメント、機械マニュアルなど) と構造化されたリアルタイムの機械データに基づいて、機械診断トラブルシューティング用の自然言語インターフェイスを提供し、関連するコンテンツを数分で取得して要約する方法をご覧ください。これにより、見習い労働者がリアルタイムのコンテキスト化された機械データを使用して独自にトラブルシューティングできるようになり、平均解決時間が短縮されます。
Georgia-Pacific
- パルプおよび紙、ディスペンサー、パッケージ、木材および石膏建築製品を製造する最大手企業の一つ
- 従業員1000人、収益、エンジニア100人の構成
- 3つの事業部門で構成
- 消費者向け
- 新製品の製造
- 梱包とサイクリスト事業
- クラウド変革に 10 年ほど取り組んでおり、2016 年に Georgia, Pacific が初めて AWS に移行
- Georgia, Pacific には数百のセンサーがあり、AWS で IoT データを処理しており、毎秒実行される 30,000 を超える機械学習モデルが稼働中
Approach
- うまくいかなかったことも、うまくいったこともたくさんあった。
- たとえば、情報をできるだけ早く入手するにはどうしたらいいか
- 誰かをトレーニングした後、その人がその知識を持って去ってしまうのを防ぐにはどうしたらいいか
- 私たちはそれを保持し、すべてアクセスしやすく簡単にできるようにするにはどうしたらい
- その中で以下のアプローチを実施した
- 重要な問題に取り組む
- 壮大な計画よりも実験的な発見をする
- 小さなことから始めて、それを展開し、そこから学び、素早く適応して成功を積み重ねることが重要
- Zeroハルシネーション
- AIがわからない答えであれば、誤った案内をするよりも答えられないと返す方が適切という考え
- 収益性の高い場所では AI を使用して厳密に制御する
- 複雑な AI を意図的にシステムに統合し、これらを AI で制御するように実施
開発のマイルストーン
- 昨年の6月に問題の特定を実施
- 7月にAWS Professional Serviceと連携し、MVP に取り組む
- 年末までに、ウィスコンシン州グリーンベイの 2 台の製紙機で 2 つのインスタンスが稼働した
ドキュメントがない問題
- 多くの施設にドキュメントがない
- ベストプラクティスが文書化されていない
- モデルに入力するために通常使用したいジョブやアシスタントなど、完全に更新されていなかった
Operator Assistant
- ドキュメント生成AIと呼ばれるものを作成
- その目的は、主題の専門家、上級オペレーター、上級スタッフから情報を迅速に引き出し、その施設や機器に固有のデータを入手して、チャットボットに通知できるようにすることこの画面は左側にアラートが表示されており、問題を可視化するようにしている
マニュアルを生成AIで作成
- 上級者も含めて、全ての作業や事象もドキュメント化することは難しい
- ただ、ドキュメント化しておくことが稀に起きる事象にも対応できるようになる重要なことろ考えている。それを作成するのは難しいため、ドキュメント化も含めてAIを活用する
- これら 2 つのドキュメントは、画像も含めて完全に AI によって生成されたもの
- たとえば、左側のものは、いわゆる本形式、つまりビデオや文書で読むような形式
- ここでは、タイトルが自動的に生成され、基本的にステップごとに説明されており、左側には、製造にあまり詳しくない方のために、標準操作手順があります。
- ポンプの停止や機器の起動など、すべてのプロセスについて、従うべき非常に重要な手順が文書化されており、標準操作手順と呼ばれています。
- これは、危険、リスクに直面する可能性のある問題について説明するためのものです。そして、ステップごとに手順を説明します。ここでは、これらのことを正確に文書化し、前面に出して、人々がこれらのタイプのプロセスに伴う安全上のリスクを理解できるようにしている
原因分析のアラート
- お客様からの問い合わせで問題が発生した場合のActionとして
- 構造化データと非構造化データを組み合わせることで即時の根本原因の分析が可能になった
- AIが質問を自由に読み込んで回答するのではなく、推奨アクションとして答えを返すことが実現できた
まとめ
人口減少の中、社内のナレッジを汎用化し、その情報を誰でも簡単に入手できるようにする仕組みは、多くの日本の企業様でも課題とされているかと思ってます。
それをAmazon BedrockをベースとしたAIの活用した取り組みの事例でした。
本セッションでは具体的なアーキテクチャーの紹介はありませんでしたが、
導入を進める上でのアプローチ方法は非常に参考になるものがありました。
本日のAIのアップデートでより一層AIによる業務改革が進みそうな予感です。