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Google Cloud NEXT’25 <Breakout sessionレポート #BRK1-095>
AIはスタートアップの競争力に直結する要素へと進化している中、重要なのは技術そのものよりも
「AIを使ってどの課題をどう解決するか」。
本セッションでは、業界トップの投資家・起業家・プロダクトリーダーたちが、
実践的なアドバイスが共有されました。
セッション概要
- タイトル
- The future of AI for startups
- スピーカー
- Harrison Chase
- Co-Founder and CEO,LangChain
- Dylan Fox
- Founder/CEO,AssemblyAI
- Crystal Huang
- General Partner,GV
- Darren Mowry
- Managing Director, Global Startups,Google Cloud
- David Thacker
- VP Product,Google
- Harrison Chase
- 概要(公式)
- AIはスタートアップ業界に革命をもたらし、イノベーション、効率性、そして成長の新たな可能性を切り開きます。業界のリーダーたちが、2025年以降のビジネスにAIを活用するための大胆な予測、重要な課題、そして実践的な戦略を共有します。ぜひご参加ください。

まとめ
いきなりとまとめ。
- 技術ではなく顧客課題を起点にすること
- UX・データ設計・ドメイン知識を組み合わせた“実装力”が差を生むこと
- AIは一枚岩ではなく、目的別に最適な構成が求められること
- 社内実験や部門導入からスモールスタートし、成功体験を積み上げることが重要
AIは魔法ではなく、現場と密接に連動した「使い方の工夫」で差がつく!
顧客満足度60%向上──現場で“効く”AI活用とは?
AssemblyAIの事例では、ある大規模なコールセンターが音声AIを導入したことで顧客エスカレーション(クレーム対応)が60%削減され、結果として顧客満足度も大幅に向上。
また、現場営業向けアプリの導入によって、営業成績が数万ドル単位で改善されたという事例も紹介されました。
つまり、AIは単なるテクノロジーではなく、「顧客体験そのもの」を変える力を持っています。
チャット中心のUXに限界──今後求められるインターフェースとは?
LangChainのHarrison氏は、現在主流のチャットベースのAI UXがシンプルでありながらも課題が多いと指摘。
「AIと人間の対話は、高度な“コミュニケーション”であり、設計思想が必要」と述べ、
今後のAI UXの進化に大きな可能性を見出しています。
スタートアップに広がる「インフラ構築」のチャンス
AI開発における技術スタックの分散化が進む中で、特定領域に特化したAIモジュールやツールの
需要が拡大しています。LangChainやAssemblyAIのように、他の企業にとっての“AI構築基盤”となるスタートアップが増えている点も重要なトレンドです。
VCの目線:「持続的な差別化」ができるスタートアップとは?
Google VenturesのCrystal氏は、投資対象として有望なAIスタートアップの条件として、
以下の点をお話しされておりました。
- 非公開性の高いデータ(医療・保険・製造など)への独自アクセス
- 変化に応じて柔軟に構成できるアーキテクチャ
- 単なるLLMのラッパーではない、“深い業務理解”をベースにした設計
スピーカーたちの「AI活用スタートアップ」へのアドバイス
最後に、登壇者からの次のアドバイスが共有されました!
- 「技術」ではなく「顧客課題」を起点に設計すべき(Dylan/AssemblyAI)
- まず理想の顧客体験を構想し、そこから技術を逆算すること(David/DeepMind)
- 狭く深く、特定の業務領域で圧倒的な使いやすさを目指せ(Harrison/LangChain)
- アクセスできる“限定データ”を活かせる業界こそ狙い目(Crystal/GV)
AIは「使い倒す力」で差がつく
終わりに。
パネル全体を通じて印象的だったのは、AI技術自体ではなく「どう使い倒すか」の視点が最重要とされた点です。2025年以降、AIの活用は差別化ではなく、事業継続の前提条件になるような気がします。
だからこそ、「現場から学ぶ」「小さく始めて早く試す」文化が、
スタートアップにとって最大の武器になると思えるそんなセッション内容でした!!